日が暮れたなら天を見よ、常に動かぬ北斗星──愛媛の偉人、秋山好古の揺るぎない生き方

随筆

こんにちは。

神奈川県鎌倉市で社会保険労務士をしている北村です。

私の妻は愛媛県出身です。

愛媛県出身の偉人と言えば、俳句の正岡子規、陸軍大将の秋山好古、海軍中将の秋山真之が挙げられます。

司馬遼太郎の小説『坂の上の雲』を読んだ方には、お馴染みの3人ですね。

『坂の上の雲』はNHKによってドラマにもされ、正岡子規を香川照之、秋山好古を阿部寛、秋山真之を本木雅弘が演じました。

3人の偉人の中で特に印象的なのは陸軍大将の秋山好古です。

秋山好古──自らの信念に従って行動する人

秋山好古という人は自らの信念や倫理に従って行動できる稀有な人だったのだと思います。

秋山好古は日露戦争で活躍し、その後も順調に出世します。

ところが、陸軍元帥への昇進を辞退し、故郷の松山に帰って中学校の校長になります。

元帥の権力や名誉を目の前にして断る、これは並大抵のことではありません。

好古の信念に照らし合わせれば、権力や名誉よりも中学校の校長という仕事のほうが価値のあることなのでしょう。

中学校の校長になった後も軍人時代の自分の武功を誇らず、「陸軍大将の制服を見せてほしい」「日露戦争の話をしてほしい」などの要望は断っていたようです。

好古には「学生は兵士ではない」という考えがあり、学校での軍事関連の教育をできる限り減らしました。

軍人時代の話をしなかったのはそうした理由もあるのかもしれません。

世界に目け、日々新しいことを学ぶ

松山市の秋山兄弟生誕の家を見学した際に、職員の方から好古の北予中学校での始業式、終業式の訓話を載せたプリントを頂きました。

訓話の中ではデンマーク国民の生活に触れている部分があります。

好古は若いころフランスに留学していますが、晩年もその目は世界に向けられていたことがうかがえます。

私はかつて、明治や大正、昭和の前半に生きた人たちよりも、今を生きている自分のほうが開明的な人間であると傲慢にも思い込んでいましたが、秋山兄弟や子規の生き方を見て、決してそんなことはないと思いました。

奢ることなく、日々新しいことを学ぶべきだと反省しています。

一以貫之──生涯に一つのことを成せば足る

社会保険労務士として面白いなと思った好古のエピソードは「フランスでのお使い事件」です。

好古はフランスに留学中に、当時の陸軍の最高権力者である山県有朋からフランス将校への使いを頼まれます。

しかし、好古は使いの途中で酒を飲み酔ったあげく、土産の品を紛失してしまいます。

現代であれば、この一件で出世の道は閉ざされるでしょう。

これは私の想像ですが、好古は「使いなどは取るに足らない仕事」と考えていたのではないでしょうか。

好古は常々「一以貫之」、つまり「人は生涯に一つのことを成し遂げれば十分」と言っていました。

そうした大きな視点に立てば、お使いの成否などは取るに足らないことなのかもしれません。

日が暮れたなら天を見よ、常に動かぬ北斗星

好古が日露戦争から凱旋した際の部下への訓話の中に「日が暮れたなら天を見よ、常に動かぬ北斗星」という言葉があります。

怠惰な生活をしていないか、人倫に外れたことをしていないか、北斗星を見て方角を確認するように日々省みよということです。

私は常に良い人間でありたいと思っていますが、世の中には様々な誘惑があり、ついつい怠惰な生活をしてしまいます。

自分を律することはとても難しいことです。

今晩は北斗星を見て良い人間になれるよう自分を省みたいと思います。

さて、あなたにとって、北斗星のような指針はありますか?

今晩、夜空を見上げてみませんか?

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