「3年は辞めるな」は本当か──最初の数週間で見極めるべき会社の本性

労働問題

こんにちは。

鎌倉市で社会保険労務士をしている北村です。

「3年は辞めるな」は本当か?

よく「一度会社に就職したら、3年は辞めてはならない」という言葉を耳にします。

私も若いころはよく言われました。

しかし、私は社会保険労務士として、3年どころか最初の数週間で見極めるべき会社もあると感じています。

「3年はやめてはならない」・・・それは本当なのか?

今日はこのことをテーマについて私の考えを述べたいと思います。

私の顧客のほとんどは使用者側、つまり経営者です。

ですが、年に数回は労働者からの相談を受けることがあります。

労働者からの相談を受けて気付いたのは、会社に就職した最初の時期に複数の法令違反が見られる場合、コンプライアンスに大きな問題がある企業である可能性が高いということです。

では、実際に“最初の時期でも気づける法令違反”にはどのようなものがあるのでしょうか。

いくつか例を挙げます。

・雇用契約書または労働条件通知書が無い
⇒労働条件について「言った、言わない」のトラブルが起きる可能性があります。

・社会保険の加入手続きを行わない
⇒試用期間は加入しない、3か月は加入しないなどの理由を持ち出す企業もありますが、違法です。

・残業代が支給されないまたは計算方法がデタラメ
⇒長時間労働とセットで起きることがあります。

・就業規則が無い(常時使用する労働者数10人以上の事業所)
⇒ルールが曖昧なのでトラブルが発生しやすい状態と言えます。

最初に人を雑に扱う会社は、その後も人を雑に扱う傾向がある

人を迎える最初の場面で雑さが出る会社は、その後も人を雑に扱う傾向があります。

最初の一歩に、その会社の本性が滲むのです。

この「最初の一歩がすべてを決める」という考え方は、古代中国の哲学者・荘子も語っています。

~前略~ 礼の作法によって酒を飲むものは、はじめは慎んでいますが、終わりにはきっと乱れることになり、極端までいくととんでもない快楽をむさぼることにもなります。すべてのもの事はみなそうしたものです。上品にはじまったことでも、終わりには必ず下品になります。そのしはじめがいいかげんでは、その終わりごろには必ずとほうもないことになるものです。


岩波文庫『荘子』荘子(著)金谷治(訳注)

「3年は辞めるな」という言葉に縛られる必要はありません。

会社の最初の対応に複数の法令違反があるなら、それは“その会社の未来の姿”です。

自分の心身を守るために、早めに距離を置くという選択も立派な判断です。

働く人が安心して力を発揮できる環境こそ、本来あるべき職場の姿なのです。

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