こんにちは。
鎌倉市で社会保険労務士をしている北村です。
人間は誰しも、少年期は親や教師から、青年になってからは先輩や上司から教えを受けながら成長していきます。
私は残念ながらそうした「師」と呼べる存在には恵まれませんでした。
ですが嘆くことはありません。
教えは歴史上の偉大な哲学者や英雄たちから受けることもできるのです。
私が人生の師と仰ぐ存在の一人に古代ローマの哲学者セネカがいます。
セネカの言葉は2,000年の歴史を超えて私たちを時には諫め、時には励ましてくれます。
今回はセネカの仕事の選び方に関するアドバイスを紹介します。
セネカに学ぶ仕事選びの6つの基準
セネカは仕事を選ぶ基準として次の6つを上げています。
この6つの基準は、心身の健康や人間としての尊厳を守るための判断基準として現在も使用できます。
①仕事の相手はわれわれの人生の一部を捧げるに値する人なのか?
⇒仕事は相手との信頼関係の上に成り立ちます。不誠実な人、悪事を企んでいる人との仕事は避けるべきです。
②仕事をする人の力量は、その仕事に必要な力量を、常に上回っていなければならない。
⇒セネカの時代にも過重労働はあったのでしょう。難しすぎる仕事、多すぎる仕事は心身の健康を損ねます。
③新たな雑用を生み出す仕事は避けるべきだ。
⇒本質から外れた雑務を生み出す仕事は過重労働に繋がり、心身を消耗させます。
④自由に退くことができない仕事にも、近づくべきではない。
辞める自由がないというのは、まさに奴隷契約ではないでしょうか。辞められないことほど恐ろしいことはありません。
⑤手を出してもいいのは、終わらせることができるか、あるいは少なくとも、それを期待できる仕事。
⇒達成できる見込みがあるからこそ、やる気は湧きます。
⑥手を出すべきでないのは、やればやるほど際限がなくなっていき、決めたところで終わらない仕事。
⇒⑤の逆ですね。終わる見込みのない仕事は諦めをもたらし、精神の活動を鈍化させます。
参考文献:セネカ (著)、中澤務(翻訳)『人生の短さについて 他2篇』 (光文社古典新訳文庫)
私はこのセネカの6つの基準をMicrosoft Todoというアプリに入れて毎日読むようにしています。
「信頼は未来にもある」「相手が誰であろうと躊躇しない」
偉大な師であるセネカに不詳の弟子である私が付け加えるとすれば、次の2点です。
一つは「信頼は未来にもある」ということ、そしてもう一つは「相手が誰であろうと、自分が設定した基準を満たさなければ躊躇せずに関係を絶つ」ということです。
「信頼は未来ににもある」、これはどういうことかと言うと、過去に恩を受けた人であっても不正や悪事を持ちかけてきたときは躊躇なく関係を絶つということです。
過去の恩に引きずられて不正や悪事に加担すれば、自分の未来が台無しなります。
人間は変わるものだということを自覚し、過去の恩に縛られてはいけません。
「相手が誰であろうと自分が設定した基準を満たさなければ躊躇せずに関係を絶つ」というのは、相手の肩書、権力、権威、評判、財産に惑わされてはいけないということです。
私は某地方自治体の議員と仕事をする機会が過去にありましたが、発言が都合よく変わる場面や異なる考えを持つ人に対する当人がいない場所での攻撃的な言動が見られたため、私は静かに関係を終えることにしました。
議員という肩書に遠慮して関係を続けていれば、きっと心身ともに消耗させられたことでしょう。
建前であっても、日本では法の下の平等が保障されているのです。
相手が誰であろうと、たとえ総理大臣であろうと大企業の社長であろうと、私たちは「No」と言えるのです。
貴重な人生を浪費しないために
何をするにも自分の中に確固とした基準を持つことは、心の安定に繋がります。
基準が無ければ他人に振り回され、貴重な人生の時間を浪費することになります。
もしあなたが基準を持っていないなら、周りに師と呼べる存在がいるのであればその人に、いないのであれば書物の中の哲学者や英雄たちに求めてみるとよいかもしれません。

