こんにちは。
神奈川県鎌倉市で社会保険労務士をしている北村です。
拡大する退職代行サービス
退職代行サービスを運営する企業が弁護士法違反で警視庁から捜索されるというニュースがありました。
弁護士法では、弁護士ではない人間が報酬を得る目的で紛争の代理人を務めることや弁護士に顧客を紹介することを禁じています。
上記の退職代行サービスは、依頼者と企業の交渉を弁護士事務所にあっせんした疑いが持たれています。
当たり前ですが、弁護士の先生が直接労働者から依頼を受けて退職代行業務を行えば非弁行為にはなりません。
興味があったのでインターネットで調べたところ、すでに多くの弁護士事務所が退職代行業務を行っています。
退職代行サービスはもはや珍しいことではないと言えるでしょう。
マナー違反?甘え?何と言おうと退職代行サービスは存在する
退職代行サービスを使用する労働者に対して、「マナー違反」「礼儀知らず」「甘え」などといった批判があります。
特に労働者が退職代行サービス利用して退職した企業の経営者からは、戸惑いや怒りの声が上がることもあります。
平成が終わり令和となり、企業や地域などの国家と個人の間にある中間団体の力は弱まってきています。
企業内のマナーや礼儀など、不文律で個人の行動を制限することができない場面はますます増えていくでしょう。
こうした背景を踏まえると、退職代行サービスの利用は今後も増えていくのではないでしょうか。
善い、悪いではなく、実際に退職代行サービスが存在し、それを利用する労働者が多くいるという認識をもつことが重要です。
タヌキも辞めたい夜がある
落語に「化け物使い」という話があります。
人使いの荒いご隠居の家では使用人が3日と持たずに辞めていきます。
ご隠居の人使いの荒さは人間だけに留まらず、屋敷にあらわれた化け物をもこき使います。
化け物の正体はタヌキが化けたものだったのですが、タヌキのほうが音を上げてご隠居に「辞めさせてほしい」と申し出ます。
化け物をこき使うご隠居はいったい何者なのでしょう?
きっとご隠居も人間ではなく化け物なのかもしれません。
もし退職代行サービスがあったら、タヌキも使うのだろうか。
そんな想像が頭をよぎりました。
経営者や部下のいる人は「化け物使い」を聞いて、自分がご隠居のように従業員に接していないか、省みるのもよいかもしれません。

