過重労働、心理的負荷・・・。その働き方、本当にあなたが選んだものですか?──荘子とある社会保険労務士の再出発

労働問題

こんにちは。

神奈川県鎌倉市で社会保険労務士をしている北村です。

厚生労働省が令和7年版(令和6年度)「過労死等防止対策白書」を公表しました。

この白書は過労死等防止対策推進法にもとづき毎年作成されています。

この白書を読むと、私はかつての自分を思い出します。

👉令和6年度過労死等防止対策白書 厚生労働省HP

過労死ラインを超える時間外労働の経験

私は社会保険労務士として独立する前、3つの企業に正社員として勤務し、その全て過労死ラインを超える時間外労働を経験しています。

一般に過労死ラインとは、厚生労働省の脳・心臓疾患の労災認定基準に示されている、1か月100時間以上の時間外労働または2か月~6か月平均80時間超の時間外労働を指すと言われています。

当時の私は心身ともに疲れ果てており、自殺を考えたことはありませんが、「明日、目が覚めなくてもいい」と思う日々が何年も続きました。

そんな私にとって、過労死は遠い世界の言葉ではなく、現実感をもって感じられる言葉です。

今にして思えば、自分の健康や幸福を犠牲にして働くことは、賢い選択ではなかったと思います。

なぜ、若かった私は過労死ラインを超える時間外労働を受け入れたのでしょうか?

その理由の一つに、幼少期から青年前期は親や教師、就職後は上司等から過重労働を進んで受け入れるよう教育され続けたこと挙げられます。

「みんな辛い思いをして働いている」「給料とは我慢料だ」「上司には従うものだ」

このような言葉を掛けられた人は多いのではないでしょうか。

古代の哲学者が心を照らしてくれた

そんな自分が変わることができたのは書店で偶然手に取った『荘子』との出会いでした。

荘子は古代中国の哲学者です。

過労死ラインを超える時間外労働で疲れ果ていた私がふと手にした『荘子』には次のように書かれていました。

生命を尊重することのできる人は、たとい富貴の立場にあっても、身を養うものを求めてそのために身命をそこなうようなことはせず、たとい貧賤の立場にあっても、利益を求めてそのために肉体を害するようなことはしない。

『荘子』(岩波文庫)金谷治訳、岩波文庫

この言葉が小さな灯となって私の心を照らしました。

荘子には今まで自分が親や教師、上司から聞いてきたことと全く違うことが書いてあり、衝撃を受けました。

文字通り目から鱗が落ちました。

親や教師、上司の言うことを信じてこのまま過酷な労働を続けるか、それとも2,000年の歴史を超えて読み継がれてきた大哲学者の言葉を信じるか?

私は荘子の言葉を信じ、自分の尊厳を守るために行動しようと決心しました。

哲学とともに歩んだ社会保険労務士としての10年

勤めていた社労士事務所を辞め、社会保険労務士として独立してもうすぐ10年となります。

実に幸福な10年だったと思います。

荘子やその後に読んだ、セネカ、マルクス・アウレリウス、エピクテトスの思想は現在、私が社会保険労務士をするうえで、そして人間として善い人生を送るうえでの強靭な指針となっています。

もし自分の働き方に疑問を持っているなら、周囲の人々だけでなく過去に生きた哲学者達の言葉に耳を傾けてみるのはどうでしょうか?

もちろん私に相談して頂いても構いません。

哲学者達の言葉とともに、あなたの声に耳を傾けたいと思います。

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