どんぶり勘定は昭和の遺産──令和の労働時間管理と給与計算

労働問題

こんにちは。

鎌倉市で社会保険労務士をしている北村です。

労働時間の記録は使用者の義務

あなたの職場では労働時間をきちんと記録していますか?

使用者には労働時間をきちんと記録する義務があります。

これは当たり前のことです。

労働基準法は1日8時間、週40時間を超えて労働させる場合に割増賃金の支払いを使用者に義務付けています。

労働時間をきちんと記録していなければ、適切に割増賃金を計算し、支払うことができません。

また、賃金台帳には、労働者ごとに、労働日数、労働時間、休日労働時間、時間外労働時間、深夜労働時間を記載しなければなりません。

割増賃金を支払っていない、賃金台帳に労働時間等を記載していない場合は労働基準法違反となり、罰則が科されることもあります。

労働時間を記録する2つの方法

労働時間はどのように記録すればよいのでしょうか?

厚生労働省が策定した『労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン』では、原則として次の2つの方法が挙げられています。

(1)使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録すること

(2)タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること

よく耳にする「記録できない理由」と「それへのツッコミ」

労働時間を記録することが難しいとは思えませんが、令和の世においても労働時間を記録しない企業が存在します。

なにか記録できない事情でもあるのでしょうか?

(1)の「使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録すること」ができないことについては、「早く出勤する人や遅く退勤する人がいるので記録できない」「人数が多くて記録できない」といった声があります。

これは理解できます。

では(2)の「タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること」はどうでしょうか?

これについては、「金銭的な負担が大きい」「使用者側が操作方法を理解できない」「労働者側が操作方法を理解できない」などの理由を耳にします。

う~ん・・・正直ツッコミどころ満載です。

金銭的な負担?

タイムカードってそんなに高価なものではないですよね?

使用者側が操作方法を理解できない?

スマホが使えるのなら大丈夫ですよ。

労働者側が操作方法を理解できない?

自販機でジュースを買うようなもの、ボタンを押す程度のことです。

いずれにせよ、労働時間を記録することは法律上の義務です。

記録しないことは問題となります。

また上記の記録できない理由も正直疑わしいと私は思っています。

どんぶり勘定は昭和の遺産。

令和の世の中になりましたが、未だに労働時間を記録せず、1日来たら10,000円、残業したら一律1,000円、深夜労働は一律3,000円といったような、どんぶり勘定で給与計算を行なっている企業を目にすることがあります。

令和の時代において正確な労働時間の記録はもはや常識です。

曖昧な計算では、労働者の健康も企業の信頼も守れません。

未来へ進むために、まずは“時間”をきちんと記録しましょう。

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